時事語、話題語、ビジネス・暮らしのことば、日常語に対応する今アメリカなどで使われている英語がみつかります
2009年08月12日
昨日、昼過ぎかねてから妻が一度行ってみたいと言っていた神戸・湊川の市場をぶらりと歩いた。 驚いた。 昭和がそのまま残っている。
昔懐かしいかき氷を店頭でやっているお好み焼き屋を見つけたときには、そのまま通り過ぎてしまうことができなかった。 おばさんが、25センチ角ぐらいの製氷した氷を旧式の冷蔵庫から出し、電動かき氷機に置いてガリガリと回して、作ってくれる。 シロップは子どもの頃好きだったいちご味を頼んだ。 ガラスの器ではなく発泡スチロールで、スプーンもプラスチックでちょっぴり興ざめだったけれどで、値段は200円だったのが、それ相応で嬉しかった。
かき氷はアメリカにもある。 私の周りでは、子供相手のかき氷屋は見かけなくなってしまったが、アメリカではすたれてはいない。
かき氷にはおおむね三つ呼び名がある。 snow coneとshave ice、shaved iceだ。snowballなどと勝手に名前をつけているところもある。
おおむねアメリカ本土(mainland U.S.A.)ではsnow coneで、 shave iceはハワイでの呼び方だ。文法的にはshaved iceが正しいが、ハワイではshave iceで通っている。 たぶん日系の移民がかき氷を始めたからかもしれない。
もちろん、米本土でも文法をきちんとしたものにしてshaved iceとして売っているところもあれば、Hawaiian-style shave iceとして売っているところもある。
snow coneは、氷を細かく砕いたものから、氷を細かく削ってパウダー状ものまで、店によって千差万別だが一般に氷は荒い。 ハワイのshave iceのほうがまだ日本のかき氷に近いとされている。
遊園地やvanと呼ばれる屋台の車、あるいはhole-in-the-wall stores(壁の穴のように小さな店)などで売っているsnow coneのシロップはたいてい、レッドとグリーン、イエロー。レインボーという虹のようにシロップをふりかけたものもある。 着色剤の毒々しい色をしているが、アメリカの子どもたちには人気がある。 それに、これでもかという言うぐらい、シロップがたっぷりかかっている。
ちょっと「高級な」かき氷もある。 トラディショナルはStrawberry Milk Shaved Ice(いちごミルク)。 店によっては、マンゴジュース、グリーンティとミルクがかかっているものなどもある。アイスクイリームやジャムをトッピングすることも多い。ハワイではRed Bean Milk Shave Ice(金時、氷あずき)もあると『ニューヨーク・タイムズ』の旅行欄で読んだ。
値段は屋台などではおおよそ2ドルぐらいで、高級ものは4ドルから5ドルはする。
で、「かき氷が食べたい」と言いたいなら、
I want to eat a snow cone.または I want shaved ice.
「かき氷おごってあげる」なら
I’ll buy you a snow cone.
と言えばよい。
今、アメリカのオレゴン州やワシントン州のPacific Northwest(太平洋岸北西部)は熱波に襲われ、オレゴンのポートランドでは最高気温が華氏105度(摂氏40.5度)になったというニュースが『ニューヨーク・タイムズ』の7月28日付けに載っていた。
暑さを表現するために、記者はポートランドのカフェの店長に取材し、次のようなコメントをとっている。
「かき氷がよく売れている(Shaved ice has been in high demand)。いつもは一日20個程度がだが、最近はすくなくとも倍の40個はでている」
アメリカの夏の冷たいものといえば、年配のアメリカ人ならアイス・ティー(iced tea)、子どもや若者はshaved ice, snow coneといえるかもしれない。
(ひきの・たけし)