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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「コロナウイルスと付き合っていかざるを得ない」英語で

2020年05月23日

 

新型コロナウイルスと「付き合っていかざるを得ない」「共生していかなければならない」「ともに生きていかねばならない」。日本語では、さまざまな言い方で、この新型ウイルスを絶滅させるのは当面は難しいという認識を表現しています。英語圏でも認識は同じですが、その時に使われる言葉はおおむねは一つです。

 

英語にはhave to live withやhave to live with itという広く使われている慣用句があり、これを使って

 

 

 

We have to live with the coronavirus.

 

 

 

と表現されています。

 

Longman Dictionary of Contemporary Englishのlive with の定義を見ますと、

 

 

 

to accept a difficult situation that is likely to continue for a long time

長く続く可能性が高い困難な状況を受け入れる

 

 

 

です。同義語としてput up with, tolerate (ともに「耐える」「我慢する」)が挙げられています。Cambridge English Dictionaryの定義もほぼ同じで、

 

 

to accept a difficult or unpleasant situation

困難あるいは不快な状況を受け入れる

 

 

 

です。つまりlive withは「一緒に暮らす」でも、文脈によっては、不本意ながら一緒に暮らす、不快感をもってともに暮らすというニュアンスが含まれています。

 

Live withの後に続く言葉、つまりいやな状況を受け入れる対象は、有害ウイルスや微生物、病気でも物でも、人でもOKです。

 

さらに、Longmanでは、この意味がlive withの一番目の意味となっています。

 

新型コロナウイルスとの闘いのなかで、このlive with coronavirusを使った表現がツイッターで多数発信されています。それらのなかから、いくつか紹介しておきます。

 

 

最初は英国のスコットランドの考古学者の女性のツイター。

 

 

Considering we will have to live with Coronavirus for quite some time, I’m thinking of taking a leaf out of Japan’s book and replacing my usual hug/handshake greeting with the humble bow.

(Liz Carlton, archaeologist, Twitter, Bo’ness, Scotland,UK 5/22/2020)

私たちはかなり長い間コロナウイルスと付き合っていかねばならないことを考えると、私は日本を見習って、いつものハグと握手の挨拶を謙虚なおじぎに置き換えることを考えています。

 

 

 

次も英国からのツイッター。

 

The World Health Organization has said Coronavirus may end up being an endemic that we will all have to live with forever.

(OurFavOnlineDoc, England, Twitter 5/14/2020)

世界保健機関 (WHO) は、コロナウイルスは最終的に、私たち全員が永遠に付き合っていかざるを得ない風土病になるかもしれないと述べています。

 

 

次は米フロリダ州に住んでいる人のツイッター。

 

 

 

 So we are just going to have to live with coronavirus?!?

(senseiskywalker, Ocoee, Florida, USA, Twitter 5/18/2020)

私たちはただ単に、コロナウイルスと付き合っていかざるを得ないのか?!?

 

 

 

最後は英語が補助公用語であるインドの証券業界と英語圏のナイジェリアからのツイート。

 

 

 

"We will fight corona and we will move forward,” the Prime Minister had said, adding that “we have to live with coronavirus for some time.”

(Indian Stock Market Traders, Twitter 5/18/2020)

「われわれは、コロナと戦い、前進する」 と首相は述べ、「しばらくの間コロナウイルスと付き合っていかざるを得ない」と付け加えたた。

 

 

 

The world is gradually accepting coronavirus and will eventually have to live with it.

(H R H, Lagos, Nigeria, Twitter 5/16/2020)

世界はコロナウイルスを徐々に受け入れつつあり、最終的にはそれと付き合っていかざるを得ない。

 

 

 

とりあえず、「付き合っていかざるを得ない」と訳しましたが、「共生していかざるを得ない」「共存していかざるを得ない」「ともに生きて行かねばならない」と訳すこともできます。逆に言えば、これらの日本語に相当する言葉がhave to live withということになります。

 

Coronavirusは定冠詞のtheを付けて表現するのがオーソドックですが、短文投稿サイトのツイッターでは、ほとんどのツイートがtheを省略しています。

 

 

ところで、Longmanでは、live withの、二番目の意味が「誰かと暮らす」で、それも

 

 

to live in the same house as someone and have a sexual relationship with them without being married

誰かと同じ家に住んでいて、結婚せずに性的関係を持つ

 

 

と定義されています。

 

つまり「同棲する」で、live togetherも同じ意味と説明されています。たしかに、結婚をせずに同居するという文脈で使われている例は私のデータベースにも多数ありますが、子どもが親と暮らしている、という時にlive withが使われている例も数多くあります。

 

 

ひとつだけですが、実例を紹介しておきます。

 

 

 

Almost half a million children live in multi generational households. Many others live with parents who are shielding.

(Jane Mackelworth,London and Sussex, UK, Twitter 5/23/2020)

ほぼ50万人の子どもたちが多世代の家庭に住んでいる。その他の多くが、保護者である両親と共に暮らしている。

 

 

ですから、I’m living with my parents.(私は両親と暮らしています)と日本人の社会習慣の表現は適格な英語です。余談ですが、米国に留学した大学生で、日本では親と同居していたことを話すと驚かれた経験のある人は少なくないと思われます。米国では、18歳になれば家を出る(Leave Home)、親元を離れ自立する(self-reliance)ことが確立している社会慣習であるからです。

 

 (引野剛司・甲南女子大学名誉教授/引野現代英語研究室 5/23/2020)

 

ここで紹介した表現は、原則として複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)(www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

 

 

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