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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「野球賭博」は英語でどう言う

2010年08月21日

 

 

大相撲の野球賭博スキャンダルはニューヨーク・タイムズでも報じられた。「力士と暴力団とのつながりが強まっていることがわかって」、日本人の多くが “were appalled”と記事には書かれていた。

 

このappalledという言葉はロングマン英英辞書(Longman Dictionary of Contemporary English)には、”very shocked by something very bad or unpleasant” とあるから、「非常にショックを受けた」「衝撃を受けた」だ。

 

しかし、少なくともぼくは、力士が部屋で、ケイタイを使ってプロ野球の試合結果にカネを賭けていたからといってショックを受けることも、衝撃を受けることもなかった。驚きもしなかった。

 

相撲関係者による大麻事件、親方による弟子への暴力事件や週刊誌による「内部告発」に基づく八百長疑惑報道。このところずっと相撲界のsomething unpleasant(嫌なこと)にさらされて続けてきた。だから、力士が、裏世界が運営している賭け事をやることも、暴力団とかかわることも「おおいにありうる話だ」と思った。

 

それよりも、ぼくの関心は「野球賭博」がどのように英語になるのかが気になっていた。

 

日本語的な発想で考えればbaseball gamblingなんだろうが、こういう使い方はまずしないだろうとは思っていた。それでは、どう表現すれば一番いいのか。なかなか思いつかなかった。

 

ニューヨーク・タイムズの東京特派員はbetting on professional baseball gamesと表現していた。

 

「プロ野球の試合に賭ける」だ。単刀直入というか、われわれでも、思いつく言いまわしだ。が、しかし仮に思いついたとしても、これがきちんとした英語であると自信を持って言えないところが悲しい。

 

その後、マイニチウイクリーに載ったAP電(2010年7月10日付け1面)では「野球賭博をする」はbet on the outcome of baseball gamesと書かれていた。

 

それで、ずっと昔に米大リーグ、シンシナティ・レッズの強打者であったピート・ローズがレッズの監督在任中に野球賭博にかかわったとして大リーグから永久追放されたことを思い出した。調べてみると89年のことだった。

 

そのときのニューヨークタイムズの記事でも野球賭博はbetting on baseball gamesがひんぱんに使われていた。

 

これで、胸のつかえがとれ、スッキリした。

 

(初出:Mainichi Weekly 8/21/2010    ひきの・たけし)

 

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