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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「口だけの」人間を諭す英語の決まり文句がある

2009年12月19日

 

これはいただけない。その使い道が隠されてきた官房機密費についての鳩山内閣の姿勢はどうも感心しない。

 

「相手があることだし、オープンにすることは考えていない」と官房長官が記者会見で言ったときには、「おいおい、いままで言ってきたこととは違うのでは」と思ったのはぼく一人ではないはずだ。

 

官房機密費の支払い記録を時期をおいて公表する法案を、民主党は野党時代、国会に提出した。だから、言行不一致だという思いは強い。

 

世論も黙っておらず批判噴出で、ここ5年間に使った金額を公表して見せたものの、肝心の使い道は国民には知らせない。

こんなときアメリカのマスメディアが論評などで使うのが、

 

Practice what you preach.

 

という言葉。

 

ここのpracticeは「義務や教えなどを守り、実践する」という意味の動詞。preachも動詞で「お説教を述べる」。で、これは「人に言うことは自分も実行せよ」。アメリカでは誰もが知っている格言だ。

 

他人には厳しく、自分には甘いのが人の常。人に「ああしろ、こうしろ」と言ったり、批判したりするものの、それを自分は実践していない、ということは昔から英語を話す社会でもよくあることなのだろう。だから、この言葉が格言として幅広く使われている。

 

ほくは仕事の関係上『ニューヨーク・タイムズ』電子版をよくみるのだけれど、国際記事でも、政治、経済、社会記事でも談話のなかに“Practice what you preach.”はしばしばでてくる。みだしで使われるたりもする。読者が投書で論説などを批判するときにも使っている。

 

命令文として、そのまま使われたり、shouldhave tohave got to, need toなどを伴って、

 

”You need to practice what you preach.”

 

などと相手を諭すのに使われている。言行一致はむずかしいということを認めた

 

But it's hard to practice what you preach.

 

もあった。

 

歴代内閣が国民にひた隠し続けてきた内閣の懐の奥深くにあるカネの使い道を、

 

We practice what we preach.

 

と言って、公表すればこの内閣の政治の透明化での評価は間違いなく高くなる。

 

首相は「世の中は透明性を求めている」と述べて、使途公表を検討することを示唆してはいる。このコラムが掲載される頃には多少の進展があればと淡い期待を抱いているのだが。

 

(初出:Mainichi Weekly 12/19/2009  ひきの・たけし)

 

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